学生は、一緒に世の中を良くしていく仲間――「よんなな会」発起人・脇雅昭さんが今、学生に伝えたい言葉【Youth Speak Forum 2018 登壇者インタビュー】

c1c790a82c279b32e07e696b28aff6db - 学生は、一緒に世の中を良くしていく仲間――「よんなな会」発起人・脇雅昭さんが今、学生に伝えたい言葉【Youth Speak Forum 2018 登壇者インタビュー】

アイセック・ジャパンは様々な領域を越えて活躍している社会人・学生の登壇イベント 「Youth Speak Forum 2018」を10月9日(火)に開催します。
コンセプトは、「『』(カタガキ)を超えろ」。若者が、自分とその未来を探し始めるきっかけとなる機会を提供します。

今回は、登壇者の一人である脇雅昭さんにインタビューをさせていただきました。脇氏は総務省から神奈川県庁に出向しているキャリア官僚としてご活躍される一方、いままでにない規模で国家公務員と地方公務員の交流する場「よんなな会」を主宰し、国と地方の「公務員」のあり方にイノベーションを起こしています。

今までのストーリーに触れながら、脇さんを突き動かす原動力や、これからの日本の未来を担う若者へ伝えたいメッセージを伺いました。

【脇雅昭さんのプロフィール】
1982年生まれ、宮崎県出身。2008年に総務省に入省。入省後に受験した司法試験に合格。現在は神奈川県庁に出向し、国際観光関連の業務や知事の補佐、県庁と総務省の調整業務等に取り組む。 肩書きは「国際文化観光局 観光部長 兼 知事室政策局 政策推進担当部長」。
一方で、47都道府県の地方自治体職員と国家公務員が集まる「よんなな会」を主宰。 民間企業の経営層はじめ国、自治体の公務員など「誰かのために何かできる」セクターを超えた仲間づくり・人の志と志が繋がるきっかけの場づくりを進めている。

お金じゃない。だからこそ、繋がっていく。

――今まで『よんなな会』をやってきて、もっとも印象深かったり、感動したことは何でしたか?

う〜ん。。。毎回感動してるからわかんない笑。でも、何が良いかっていうと、みんなお金の関係で付き合ってないことだと思う。そしたら、終わった後すごく仲良くなるんだよね〜。ヒカリエで毎年一回やらせてもらっているんだけど、運営メンバーは、もう日々の業務で忙しくてズタズタなわけ。だってイベントのプロじゃないから。なんかそれを一所懸命仲間になって支えてくれたり。終わった後に「何か一緒にやろうよ」って言ってくれる。結局、お金の力ではない部分で人の心をどう紡いでいくか、という所がすごく面白いなあと思っていて。

お金ではなくて、人の思いというものをどうやったら引き出せるかという。だから、逆にお金無いからそれを考えざるを得ないし、お金無いから人と仲良くならざるを得ないっていう気持ちでやっているわけではないけど、それがワクワクするよね。

――ビジネスライクではなく、ですね。

そうそう。単発的なイベントだけではなくて、どんどん仲間が増えていくというか。それが毎回楽しいかなあ。

――『よんなな会』も、一時期忙しくて辞めようと思ったとお伺いしたのですが、そこを乗り越えたきっかけはどういうところでしたか?

う〜ん…。なんか俺、「良いことしてる」と思ってたんだよね。当時は。世の中にむちゃくちゃ良いことしてるなって思ってたんだけど。でも、俺が「やる」って言ったら、俺が「辞める」って言ったら終わりになって。本当に世の中に必要とされている事なんだなって。

きっかけとしては、以前赴任していた熊本県庁でお世話になった人の恩返しだと思って始めたんです。熊本県から来ている人を呼ぼうと。それは同期を集めると20人位で、その人達は20県くらい行っているから、そこでお世話になった県の人たちを集めて恩返しできたらなあ、という感じで。そしたら、60人位でやってたんですよ。それから幹事を作って、その人たちに声をかけるようにしてもらって。

良いことやっているつもりだったけど、「え、実は大したことやってないんじゃないかな」って。だったら、って。だから「辞めよう」というよりは、「だったらちゃんとやろう」という風に心がシフトしていった感じです。

もうほんと、内輪でやっていたものから、いかに自分の届かないところまで、自分の知らない人にこの価値をちゃんと知ってもらって、巻き込んでいくかという事をしない限り、『よんなな会』の意味無いなって。だから、敷居を低くしていきました。

「飲み友」になる。そのことに、大きな価値がある。

――色々なことをやって地方公務員さんを繋げていって、その先に「ビジョン」というか、どの様な未来を脇さんは持たれていますか。

本当のことを言うと、分からない笑。分からないというか、「良い方向に行くでしょっ」て思っているから。だって俺、別に自分の人生に時間を使っているからさ。みんなを巻き込んではいるけど。でも「ボヤッ」っとしているよね。

最終的には多分、今思っているのは、もっと行政と民間の壁が低くなれば良いなと思ってるかな。今でも民間で凄く価値のある人は沢山いる。特にベンチャーとか、めちゃくちゃ新しいこと生み出してるじゃん。でも、そういうのと行政が組む時、「初めまして、こんにちは」だと相手にもされないなと。だから、その良い民間のサービスと行政が繋がるようなプラットフォームに、よんなな会がなれば良いなと僕は思ってる。だから、いま来ている人たちって、地方から中央に送り込まれてきた感じでしょ(※)。ベースが戻ったらまた重役に入って、その人達が行政以外とどう組んでいくかみたいな思想とか。いま何が無いのかを見つける力とか。そういうものがついてきたら日本良くなるかなぁと思ってます。

※:よんなな会の参加者には、地方自治体から官庁に出向に来ている公務員も多い。

――実際に何かこう、よんなな会でできた繋がりがこういう風になった!といった事例はありますか?
それすごく求められるんだけどさ、正直言って、そういうのって全然関心無いんだよね。絶対に起きてるから笑。集めようとしなくても、聞こえて来るものだけでも色々あるなあと。

――飲み友になるだけでも何か意味がある、ということですか?

そうそう。僕はそこに置いているんだよね。だって、そこで人の関係性が築かれるだけでも価値だし、その人のもとにまた色々な情報が集まってくることも価値だし。

言ってしまえば、その程度のレベル感で僕は自分に「良いね」ってしてあげているんだよね。やらないよりやった方が良くない?というくらいにしか思ってないから。「あざっす」って言って、「良かったね」って言って。それこそこの前、学校の先生と市役所の職員とあとVRの会社の社長の3人で、VR使って自分たちの教育に生かそうって。VRでタイムカプセルを作って。それで、そのVR映像を埋める、みたいな。それを作る過程で、地元のことも何かしようとか。技術を教育に活かせないかなという取り組みも始めて。

――面白いですね。そういうものも、元々『よんなな会』で知り合って、一緒に飲んで、仲良くなって…という。

そうそう、その場で決まったらしい。「やろう」みたいな。

――でもそれが実際に形になるってすごい素敵ですね。

すごいよね。

――そこまでして脇さんを動かす原動力は何ですか?

みんなの「ありがとう」だよね。

成果が上がったとか、どうでも良いと思っていて。皆が「ありがとう」と言っているという事は、モチベーション上がっているんだよね。それで、今はそこに置いているかな。「ありがとう」ってまた言って欲しいなって。いろんな人と出会えて良かったって。それだけで十分だと思っている。どうせその後なんか起きてくるしさ。まずは人と人とが繋がって、インフラを作りたいとか思うんだよね。

若者たちへ。自分の言葉に縛られないで。

ーー脇さんは以前、総務省で人事もされていたと伺いました。そして、いまも本当に精力的にいろんなことに取り組んでいらっしゃいますが、そんな脇さんだからこそ思う、脇さんが考える今の若者の課題は何ですか?

う〜ん、何だろうね。人事にいた当時思っていたのは、皆…言葉に縛られている人が多いなって。

――言葉というのは、肩書きとかですか?

いや。というより、「自分の言葉」にかな。

元々はさ、僕らで言うと省庁とか選ぶときに、「あっ、ここなんとなく良いな」みたいな感じで思っているわけじゃん。「何か良いな」みたいな。でも、就活とかになると、「何でココとココとココなわけ?」っていう「軸」を求められるじゃん。それで、その「軸」を求められた瞬間に、みんな超真面目に自己分析を始めてさ、「この3つがなぜ自分が目指しているのか」っていう「軸」を言語化し始めるんだよね。それで、言語化し始めた瞬間に、今度は言語に縛られてさ。なんか、「自分は本当はこういう想いなんだ。だからコレだ、だからコレだ、だからコレだ」みたいな。なんかそれ、すごく勿体無いなって。でもまあ面接だから仕方ないんだけど笑
でも、面接は表現力を聞いているのであって、そこまで固くならなくていいと思う。なんか、「ワクワク」しないとダメじゃないかなって思っていて。大事なのは「ワクワク」なんじゃない?って。

――言語に縛られる…。言語化すると、せっかく頭の中にあるフワフワしたものが形になってしまって、その形に縛られてしまうのって…僕もあります。

怒られるかもしれないけど、夢とか目標とか決して言語化出来ていなくても、それはそれで生き方あるんじゃない?って思ってる(笑)。なんだか、夢がないよね。

「いやあ、動いていたら楽しいじゃん?」

――色々な大人達に「言語化しろ」「自己分析しろ」ばっかり言われてしまって、それに疲れてしまっている学生って結構多いと思います。

まあ、結局、原動力って話があったけど、何で原動力があるかって、まず最初に起きたのが、親が死んだときに「人って死ぬんだ」って事を知って。人は二つだけ平等なものがあって、「100%皆死ぬ」って事と、「いつ死ぬか分からない」っていうこと。その二つの中で、自分の人生の時間を何に使うかというのを考えたんだけど。社会企業家とかすごい周りにいるじゃん?そういう人達が「これを使って世の中を良くするんだ」って言ってさ、自分の人生の時間を使っているわけじゃん。俺なんかさ、4月1日、7月1日に「お前の公役はこれね」っていう辞令を貰いにさ。「俺このままでいいのかな」ってむちゃくちゃ考えたんだけど、これ2年経っても僕はね、自分の想いを言語化出来なかったんだよね。

だから、「このままいったら、頭の中で考えているだけで世の中のために何もならないな」って。このままいったら何もしないで死ぬじゃんって思って。そこから行動し始めたんだよね。何を目指しているのかは分からないけども、でも何か「これやったら良いよね」みたいな事ってあるなって。それを思いついたら、思いつくって事は何か絶対意味があるな、と思ってやり始めた。

それで、それやったら次やりたい事出てくるから、それをずーっとやったら、翻って、「あっ、自分の人生こんな事したかったんだな」って思う。「人生最高だな」と思ってから、動き始めた。そうしたら、本当に行動するとやっぱり色んな人達が付いてきてくれて。「一緒にやって行こう」みたいな。行動ベースで何かやっちゃう。でも最初はそういう様な話だったんだけど、動いて行くとさっきの「何が原動力だったんですか?」って言って、「ありがとう」って正に本当で、世の中に価値があるという気がしていて、それが凄くワクワクしてくるんですよね。面白いなと思って。こんなに色んな思いのしなかった展開とか出てくるし。だから、今は楽しいからやってるよね。「何でそれやっているんですか?」「いやあ、動いていたら楽しいじゃん?」みたいな。

学生は、「一緒に世の中を良くしていく仲間」

――今回、Youth Speak Forumで登壇なさるわけですけど、「これはちょっと若い人に伝えたいな」と思う事って、自分の経験の中でありますか?

ええっ…ないっ!(笑)

――ええ笑

だって、僕が歩んで来た人生は、僕が歩んで来たものでしかないから、これが皆にとって価値あるかっていうのは分からないよね。僕は今happyだよ。色々苦しかったけど。でも、これが素晴らしいという断言は絶対にできないないから。まあ、日々一所懸命生きてます、ってことかな(笑)。

あとは、「誰かから何かを教えてもらう」って思う必要も無いんじゃない?だって、僕は本当に学生は学生にしか出来ないことってあると思ってる。学生の心を動かしているのは学生じゃない?僕が社会人になって学生の心を動かそうと思ったら、直では絶対に動かせない。だから『よんなな学校』とかやっているの。学生が集まる場とかをやっているんだけど、それでもほぼ僕は運営にタッチしない。学生は学生で回している。やっぱり、学生は学生だし、学生はその学生の感覚っていうか、今後10年後20年後を背負っていく人達の感覚を持っているのは自分たちじゃん?それって強みなんだよね。でも、僕らは僕らで出来ることがあるかもしれない。だから、「一緒に世の中良くしていく仲間」っていう感覚がむちゃくちゃあって。だからこう…「一緒にやろうよ、何か」っていう感じかな(笑)。

――「一緒に世の中を良くしていく仲間」という言葉、すごく良いです。

だから「今から何かやろうよ」って思っちゃう。社会人になった後とかじゃなくて、今じゃないと出来ないことって絶対あるって。「偉くなったらやります」って絶対嘘だって思ってる。偉くなったらさ、出来ない理由だってあるじゃん(笑)?

だから、今の自分に何が出来るかっていう事の連続だと思っている。そういう意味では、僕には無いものを皆持っているし、皆が無いものを僕は持っている。そうしたら、その二人が一緒になったら、もしかしたら新しい課題が解決できるかもしれないじゃん。だから、「一緒にやろうぜ、イエーイ!」みたいな。

――それを後にして、おじさんになってからでは意味ないですもんね。

そうそう。あとは、公務員目指す人が〜、だとしたら、まあ、公務員目指す人にだけでは無いのかもしれないけど、この仕事やって思うのは、「正義がいかに多義的か」っていうこと。

なんか、一方的な善があってさ、一方的な悪がある世の中じゃないよねっていうのは無茶苦茶思うよね。だから、正義が分かりやすいと思ってこの仕事選んでいるとしたら、もっと複雑だぞってなって。なんか、51対49なのかもしれないし、49対51なのかもしれないし、50対50なのかもしれないし。なんかこう、ハリウッド映画みたいにさ、善と悪がいる「勧善懲悪モデル」ではないから。「あれが悪だ。だからいらないです」っていう考えは通用しない。だから、その中で僕らはどこに線を引いていくかっていう仕事をしている。そこに対するやりがいを感じとってもらえる必要があると思う。

悪にも悪のストーリーがあるんだよね。そういうことが分かる人が増えいったら…。まあこういう世界に入っていくんだったら、そういう事を分かって入ってきて欲しいなって。

ーーありがとうございます。正義は多義・・・。とても考えさせられます。本日は長時間、ほんとうにありがとうございました。

こちらこそ、ありがとうございました。

 

聞き手:呉本謙勝

執筆・編集:関谷尚子

Youth Speak Forumについて

いかがでしたか。そんな脇さんが登壇するYouth Speak Forumは今回「カタガキ」を越えて活躍する社会人をお呼びしています。この機会で新たな「自分」を見つけてみませんか? イベントURLはこちらから!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です