フランス大統領選「ザックリ」解説シリーズ第四弾 候補者紹介

c59d314fbe6a282db6aeda0da5b68174 f1781a8a63d05048a1bb3541f86fcc9e 1 - フランス大統領選「ザックリ」解説シリーズ第四弾 候補者紹介

フランス大統領選挙「ザックリ」解説シリーズ。第四弾は「大統領候補ついて」。

本日、日本時間では15時から投票が始まった大統領選挙。実際にしのぎを削っているのは11名の候補者。 その中でも特に、決選投票進出が見込まれている4人の候補者についてご紹介します。

今回、決選投票に向けて接戦を繰り広げているのは以下の4候補。メランション、マクロン、フィヨン、ルペンです。彼らの支持率は皆20%前後で拮抗。誰が決選投票に進むか、本当に予測が難しくなっています。

34a1b784183739273d48929f7857d7de 281d17040bd924dd2dbddcf3367301c0 2 - フランス大統領選「ザックリ」解説シリーズ第四弾 候補者紹介

前回、前々回でお話しましたがフランスには

①失業、②社会保障、③移民難民、④ユーロに関する課題が積み重なっています。

1da6ba40a3f3b5f3a39c6b8a867c7a81 e7bd244035093d9483648d064486081a 1 486x290 - フランス大統領選「ザックリ」解説シリーズ第四弾 候補者紹介

フランス大統領選「ザックリ」解説シリーズ第三弾 論点について

2017.04.22
unnamed file 44 486x290 - フランス大統領選「ザックリ」解説シリーズ第四弾 候補者紹介

フランス大統領選「ザックリ」解説シリーズ第二弾 フランスの社会課題について

2017.04.21

そして、それらの社会課題を背景に

①グローバル化を進める=親EU的な政策をとるか、フランス第一で反EU的な政策を進めるか。

ac2d9d3670e96a55c4866bd2a25f6a39 dd3860d9ed68d52d1f67719e3d1cca17 1 3 - フランス大統領選「ザックリ」解説シリーズ第四弾 候補者紹介

②政府による介入をふやすリベラルな政策=左派的な政策を進めるか、できるだけ自立を促し政府の役目は小さくする自由主義的な政策=右派的な政策を進めるか

57545059e856953761e42e9f3e7a2fa0 2f74ac7ef3715a8f4c4e060ebbf93b6a 1 2 - フランス大統領選「ザックリ」解説シリーズ第四弾 候補者紹介

この2つが大論点になっています。 そして、これらの論点別に候補者のスタンスを整理すると、こうなります。

46767a92a4e022c511ff35547adade0b 30d40bdf34528473a5a5f4039526df34 2 - フランス大統領選「ザックリ」解説シリーズ第四弾 候補者紹介

メランション

231b519158f0e90f57449c2638379097 02034b40d0f79579bdee95c4fbb753f1 2 - フランス大統領選「ザックリ」解説シリーズ第四弾 候補者紹介

まずは急進左派の左派党メランション。簡単に言ってしまえば、彼は社会主義者です。 EUとの関係においては、「今のEUでは、民衆は銀行や大資本に服従させられている」と主張してEUの基本条約の見直しを訴えています。EUの憲法であるリスボン条約の再交渉を公約としているほか、IMFやNATOからの脱退も掲げており、保護主義的な経済を目指しています。

国民の全員に年間6週間のバケーションを義務付けるべきと主張し、労働時間短縮を訴えるほか、富裕層課税強化と、最低賃金大幅アップなど、庶民にうれしい公約を打ち出しています。アメリカでいうサンダースのような方で、とにかくリベラル志向です。

彼が支持を4月にはいってから大幅に伸ばしているのには、彼のカリスマ性にあるようです。トークが非常に巧みで4月初めのテレビ討論後に急激に人気を伸ばしました。演説時に、古代ギリシャやルネサンス、フランス革命について語り、興奮した民衆は「レジデスタンス」と叫びながら歓声をあげるそうです。

マクロン

da2e9f790dfe600dc3e885584f9ee7e5 c4ef828ac50a9b2c84b7a6b1f86f873d 2 - フランス大統領選「ザックリ」解説シリーズ第四弾 候補者紹介

次に、世論調査でほかの候補者を少しだけ上回ってきた中道無所属のマクロン。彼は有力候補の中で唯一のまともなEU推進派となっています。

元経済大臣で労使双方を配慮した雇用政策が目立ちます。また、4人の中で唯一ロシアのプーチン政権を批判しています。

ただ、強い姿勢をみせる他の候補者に対し、マクロンは中道を攻めているため、「あらゆる問題に対してあいまいだ」と他候補から集中砲火を浴びました。

また、彼の人気はルペンなどほかの候補者の台頭も原因かもしれません。マクロンはとにかく中道です。自分の票を死票にしたくないと考える有権者たち。右すぎる政策は嫌だ、でも左が勝つかわからない、じゃあ真ん中に投票しよう。 ルペンやメランションの人気が高まるなか、その二人だけは嫌だ!という人々がマクロンを支持にまわっています。

決選投票に進めば政治の安定を求める保守票の獲得が彼に集まると考えられます。 39歳と非常に若く勢いがあり、ゲイとの不倫疑惑のデマが流されるという苦難も乗り越え、現在1位の有力候補です。

 

フィヨン

89f1ea1eef72f2f51ae61e0311e47f88 59aabde8bc78d98b0faf68380293565b 2 - フランス大統領選「ザックリ」解説シリーズ第四弾 候補者紹介

サルコジ前大統領のときには首相を務め、当初もっとも支持を集めていた中道右派の統一候補フィヨン。中道右派の統一候補を決める予備選ではサルコジ前大統領等の有力候補を退け勝利。実直な人柄と清廉潔白なイメージによって支持を集めていたフィヨンですが、司法当局から公金横領などの疑いで訴追され、支持率を大幅に落としました。

テロ対策など国境警備の強化を訴え、移民入国の制限も提案していますが、経済的には自由主義者で、EUについては経済面では肯定的、社会面では否定的です。小さな政府で財政再建を訴え、歳出の削減や公務員の削減、定年の引上げ等を挙げています。

彼は4候補の中で唯一、主要政党である共和党から出ており、スキャンダルでダメージをうけたものの、主要政党らしく盛り返しています。 スキャンダルにより干されたこともあって、フィヨン支持はちょっと表明しづらいらしく、隠れフィヨン支持者によって票が伸びることも考えられます。 

 

ルペン

1b332f20c654274d79cc510c032b0d58 8dd8c7e60eb3a4948fff8ca16e5bcda4 2 - フランス大統領選「ザックリ」解説シリーズ第四弾 候補者紹介

国民戦線の党首で、言わずもがな最大注目候補のルペン。お父さんが作った極右政党を引き継ぎましたが、極右のイメージを払拭するためにお父さんを党から除名、大衆政党へと支持を拡大しました。お父さんは人種差別者と称されることもありましたが、ルペンはあくまで「フランスの繁栄」を前面に訴えるナショナリストで、人種差別者ではないようです。

彼女はEU離脱を訴えています。通貨・立法・国境管理・経済の4つの分野において国の主権を取り戻す交渉をEUと行い、EU離脱を問う国民投票を実施するとしています。 移民難民が自由に入ってこないような入国管理や、公務員の予算削減を訴える中での警察の予算増額など、安全保障について強い主張をしています。

経済に関しても保守的で、「フランスの自由」のために、小さな政府寄りの発想をしています。移民難民への予算を削減して、フランス人への社会保障を満たすというロジックを建てているところが、フランスのトランプと称される謂れです。

20日夜に発生したパリの銃撃事件が第一回投票を目前にして起こったことで、彼女の票は伸びるかもしれません。トランプ大統領もインタビューで「パリ銃撃はフランス大統領選に多大な影響があるだろう」との認識を示しました。

c59d314fbe6a282db6aeda0da5b68174 f1781a8a63d05048a1bb3541f86fcc9e 3 - フランス大統領選「ザックリ」解説シリーズ第四弾 候補者紹介

そんな4候補者ですが、世論調査による現在の順位は、21日の時点で、1位マクロン、2位ルペン、3位フィヨン、4位メランションとなっています。

http://www.parismatch.com/La-presidentielle-en-temps-reel

第一回目の結果は日本時間、4月24日の午前には判明する見通しです。 ヨーロッパや世界の行く末を大きく左右する今回の選挙。果たして決勝戦に進むのは、誰と、誰なのでしょうか。

明日の朝のニュースから目が離せません。

Fin.

ABOUTこの記事をかいた人

毛利 裕一

事務局 WEBデザイナー
早稲田大学政治経済学部国際政治経済学科2年。POTETOの誕生日と同じ12月1日生まれ。 このホームページの制作者。 フランス大統領選に行ったり、主権者教育に取り組んだり、色々なデザインをしたり、事務局での仕事を行ったり。